「あずきかぼちゃ」も、マクロビオティックの本で始めて知ったお料理でした。
あずきとかぼちゃを一緒に煮たものです。
これ、あずきをお昆布と一緒に煮るのです。
そしてあとから、食べやすい大きさに切ったかぼちゃを加えるのですが、小豆を煮るのであればお砂糖を加えるのは当たり前、という前提がまず覆されました。
マクロはお料理にお砂糖は使わないですからね。
全体の味付けは、お塩だけなのです。
この組み合わせなら、生クリームを泡立ててきっと今までだったら混ぜていただろうと思います。
ですが、出来上がったものを食べてみると、実においしいのです。
むしろ余計なものを加えず、シンプルに調理する事で、素材の味がはっきり出るのですね。
あずきとかぼちゃの組み合わせの妙というのがあるのだと思います。
たった二種類の素材しか用いていないのに独特の深い旨味が発揮されて、今まで食べた事のないような類いのおいしさがありました。
お砂糖などの甘みを加えていたら絶対に知り得なかった味。
フレンチの食べ歩きなど以前はよくしていて、おいしいものは好きでしたが、そういう美食的おいしさとはまた違う別種のおいしさを発見した気がしました。
また、お肉と一緒に調理する時と違って、野菜だけのお料理だと野菜自体の美味しさが前面に出るのですね。
そんな食事をするようになって3ヶ月ほどたったある日の事。
その日のメニューはいまでも覚えています。
・ひじきの炒め煮をのせた玄米ごはん。
・根菜やさつまいもやお揚げの入ったお味噌汁。
・ブロッコリーのアーリオ・オーリオ。
・あずきかぼちゃ(あずきかぼちゃは気に入ってよく作っていました)。
いつものように食べたあと、スタッフの方とお茶を飲みながら話をしていたのですが、その日は、食べたものが体のどこへ行ってしまったんだろうか、というくらい、食後なのにとても体が軽いのですね。
これは自分だけなのか、たずねてみたら、そのスタッフも、「うん、軽いよね」と同じ事を言います。
不思議だね、今日のごはんは、なんて話をしながら、食後のお茶を飲んでいたら、頭がすっきりしているのに、気がつきました。
おどろきでした。
いつも頭は、もやもやした思いで一杯になっていたからです。
その、もやもやは、いつしか額に押し寄せて、もう額が重たくなっていました。
想念は物質化するのでしょうか。道場に来た当初は、眉のあたりにまで重みが押し寄せて、ちょっと腫れて人相までも変容しかかるほどでした。
それが、すーっと消えていたのです。
その時、直感的に思いました。
「こういう食事を続けていれば、うつは必ず治る」。
そして、私はこういう玄米と野菜のお食事によって、ひきこもりとうつ地獄から復活する事が出来たのですね。