2016 なーんちゃってミニマリズム事始め。

 

何年か前から気になっていたミニマリズム

今年から始めようと決めた。

 

いま自分の部屋にあるものは、

これさえあれば生きられるというもの。

 

本。

洋服。

雑貨。

CD 。

チラシや名刺や雑誌の切り抜き(=東京の色んなお店の夢のように素敵な情報)。

 

それらは愛しい分身で、

物とお買い物はよろこびだ。

それはこれからも変わらないと思う。

 

ミニマリズムをやると決めた一番の理由は、たくさん働きたくないからだ。

これまでもろくに忙しく働いてきたわけではないので、

おこがましいのだが、

適正な働き方を探りたくなった。

 

色んな欲から自由になりたくなった。

 

次はあの服を買おう、とか、あのお店に今度行こうとか、

そんな事を思う時間はとても楽しく、

これからもまったくゼロにして手放すつもりはないから

私が出来るのは所詮、なーんちゃってミニマリズムだろう。

だが、その種の欲望の際限のなさに、嫌気がさしたのだ。

 

一体、どこまで物を買えば私は満足するのだろう。

1日24時間。自分の時間を自分で編集したくなった。

お金と時間を欲望に支配されるのが、いやになったのだ。

 

さっそく形から入る人間なので、隣街の吉祥寺へ本を買いに出かけた。

 

・「最小限主義」沼畑直樹 KKベストセラーズ

・「「何もない部屋」で暮らしたい」ミニマルライフ研究会 宝島社

・「もっと知りたい パリの収納」本田さおり KADOKAWA

・「おいしいパスタづくり12ヶ月」本田哲也 朝日出版社

・「傑作 絶望シネマ88 観ずに死ねるか!」鉄人社

 

必要な本を買いに行っても、たのしい本まで余計に買ってしまう自分が、

果たして、対極にあるミニマリズムなんて出来るのか、

ほんとにオマエはやる気あんのか?と、

理性と欲望は乖離しているし、

自分でもまったく不安なのだが、

本はとりあえず読んで正解。

 

「最小限主義」に、自分はもう何者にもなろうとしなくてもよいのだ、

というような事が書いてある一文に遭遇した時、ドキっとした。

何も目指さなくてもいいという事に、開放感を覚えた。

もう「得よう!」としなくてもいいんだ。

その瞬間、よろこびを予感した。

 

 

今年から、もう一つ、仕事部屋を借りる事になった。

だからその分余計に、働かなければならない。

ムダづかいも見直さなければならない。

 

生活は拡大へと向かっている。

ミニマリズムとは真逆だ。

 

余計に仕事を確保して働かなければならない、

生活をまかなうための義務が増える。

それを思うだけで、またうつがぶり返しそうになった。

フトンから出られそうにないかもしれない。

寝ていても、お金の計算ばかりしている。

 

わたし、本当に、家賃払えるの!?

やっていけるの!?

 

しかし、新しい仕事場の、何もない空間を見たとき、「コレだ」と思った。

何もない空間は、とても美しかった。

 

この満たされる感覚は何だろう。

 

この空間があれば、やっていけるかもしれない。

と、思った。